治療内容

    マセソン先生による治療は大きく分けて次の4つの柱から成り立っていると言えると思います。

    薬による治療

    マセソン先生が使用する薬のメインはやはりステロイドになります。以下は私が処方を受けたステロイドです。 ステロイド以外の薬については、「使用した薬」をご参照ください。

    <ステロイド注射>

    アメリカ到着日にステロイド注射をしました。ステロイドの注射は必要な場合にしかしないと聞いていたので、心の片隅では「私は打たなくてすむといいなあ」と思っていましたが、やはり打たれてしまいました。実に20年ぶりぐらいのステロイド使用でしたし、軟膏のステロイド以外使ったことがありませんでしたので、すごく恐怖心があったのは事実です。でもこの注射のおかげでアトピーの炎症がみるみる消えて行きましたし、治療の柱としてやはり必要だったのではと思っています。この注射の効果は一ヶ月間続くようになっているようです。

    <ステロイド内服>

    渡米中に、日本で使っていたステロイドのリバウンドが起きた患者さんには、デルタゾン(プレドニゾン)内服の指示が出ました。驚くことに、ステロイド注射をしても、なおリバウンドの出る方が結構いました。私はずっとステロイドは使っていなかったので、当然リバウンドはなく、渡米中には飲む必要はありませんでした(ただ、アレルギーの急速減感作の際、アナフィラキシー予防のために飲んだ内服薬の中にステロイドも含まれていました)。

    しかし、帰国後の悪化時にはデルタゾンが何度か処方されました。大量のステロイドを短期間内服して、皮膚の炎症をリセットすることを「ショートバースト」と呼んでいます。飲む量は1日最大80mgもしくは60mgから始まり、7日間から10日間程度、1日20mgまで量を減らしながら服用しました。たとえば、60mgを2日間、40mgを2日間、20mgを3日間などです。短期間とは言え相当な量ですので、初めての時は正直飲むのが怖かったです。寝付けなくなったり、立ちくらみがしたり、顔がむくむなどの軽い副作用はありましたが、ショートバースト中も普通に仕事に行けましたし、その後も深刻な副作用は全くありませんでした。私はこのショートバーストは帰国後、2年間の間に計4回やりました。

    <ステロイド外用薬>

    処方されたお薬は、体用のトライアムシナロンアセトニド(TAC)軟膏0.1%と、顔用のハイドロコルチゾン軟膏・クリーム2.5%です。参考までに処方された商品のページにリンクを貼っておきます。なお、どちらも3日使ったら3日は休むように指導がありました。

    TAC(Aristocortのジェネリック)

    ハイドロコルチゾン(Hytoneのジェネリック)

    TACはアメリカのステロイド強弱表で「マイルド」、ハイドロコルチゾンは「もっとも弱い」ステロイドとされています。ちなみにTACは私のアトピーには全くと言って良いほど効きませんでした。しかし、これより強いステロイド外用薬を使うのは危険とのことで、リクエストしても出してもらえませんでした。

    アメリカのステロイド強弱表(英語)

    なお、以前はエリデルという免疫抑制剤系の外用薬も使われていたようですが、今は使われていないようです。私の時にも誰も処方されていませんでした。

    スキンケア

    スキンケアは非常に重要と言われています。私が指導を受けたスキンケア方法は次のとおりです。

    入浴は1日2回(朝晩)、ぬるいお湯で一回20分以上。バクテリア対策のため、お湯は毎回替え、塩素除去はしない。セタフィルクレンザーという低刺激の洗浄剤で全身を洗う。

    バクテリア対策として、週に一度、ファイソヘクスという殺菌洗浄剤で体を洗う。もしくはハイターなどの塩素系漂白剤を少量お風呂に入れて入浴する。

    プラスティベースというやわらかいワセリンのような保湿剤を、入浴後3分以内に全身にたっぷりと塗って肌を保護する。これはバクテリアやアレルゲンの進入を防ぐ意味があります。 ある程度肌が安定してきたら、セタフィルローションなど軽めの保湿剤に変更する。

    私個人としては、脱保湿に慣れていたこともあり、プラスティベースを塗るとかゆみが増すので帰国後はほとんど使いませんでした。先生に薦められたセタフィルローションも合わない感じがしたので、代わりに渡米治療以前から愛用していたクリームを使用していました。今思うとプラスティベースやセタフィルローションが合わなかったのではなく、アレルギー(ダニ、カビなど)による炎症のためかゆみが起きていたものと思われます。アレルゲンの大部分は吸い込む空気と一緒に体内に進入するため、プラスティベース等で皮膚表面を保護しても、吸い込んだアレルゲンによって起きる皮膚の炎症は防げないため、常に炎症が起きてしまっていて、そこに保湿剤を塗ると余計に刺激になってかゆみが起きていたのではないかと思います。ちなみに炎症がほとんどなくなった今は何の問題もなくセタフィルローションを愛用しています。

    アレルギー免疫療法(減感作療法)

    マセソン先生は皮膚科医であり、アレルギー専門医ではありません。アレルギーの治療が必要な場合には、アレルギー専門医のベイカー先生のアレルギー免疫療法を受けることになります。

    まず、ベイカー先生のクリニックでアレルギーの検査を受けました。プリックテスト(テスト液を皮膚にたらし、針で小さな傷をつける)と皮内テスト(テスト液を皮膚の浅いところに注射する)を受けました。この検査結果をもとに、注射液(アレルゲンワクチン)が作られ、急速減感作を行います。日本人のアトピー患者には、特別に濃度の薄いアレルゲンワクチンが作られているそうです。これは、アレルギー免疫療法によってアトピーが悪化するケースが多発したため、ベイカー先生が試行錯誤の上、悪化しない範囲で最も効果の高い濃度にしているようです。帰国後は、日本の病院でこのアレルゲンワクチンを2週間に一度、0.1ccずつ注射してもらいます。また注射液は9ヶ月程度で新しいものに更新します。注射は5年間続けることを奨励されています。

    ちなみに私は、ベイカー先生の検査で、ダニ、カビ、ハウスダストにアレルギーがあることがわかりました。

    また、私はその後、久我山病院のアレルギー専門医(長屋先生)のもとでさらに本格的なアレルギー免疫療法を受け、驚くほどの効果が出ています。詳細は別途記述。

    トリガー(アトピーを引き起こす原因)の除去

    トリガーは人それぞれです。私の場合はアレルギーが主な原因だったのですが、そうでない人も多数いるのではないかと思います。トリガーは、ショートバースト(ステロイドの短期内服)をして、皮膚の炎症を鎮めた後、どこからどのように炎症が始まるかによってある程度わかってくるようです。私の場合は、ショートバースト終了後、すぐに目の周りから赤くなるため、明らかにアレルギーがトリガーだと言われました。また、一年中、花粉症のような症状(鼻炎、結膜炎)に悩まされていたので、そのことからも強いアレルギー持ちであることは明らかでした。

    他にアトピーのトリガーとして考えられる例としては、バクテリア(先生はスタッフと呼んでいます。黄色ブドウ球菌のことと思われます)、洗剤、ヘルペス(薬でコントロールできるようです)、女性の場合は生理などです。たとえトリガーが何か見つからなくても、適切なスキンケアと効果的な薬物療法を受けることによってすっかり良くなってしまうことも多いようです。

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